
茨城県守谷市
IROHA Pilates & Conditioning Studio
のHanae(はなえ)です。
最近、自分がレッスンでやっていることを考えていたら、
「これって、注文住宅をつくる建築家の仕事にちょっと似ているのかもしれない」
と思いました。
もちろん、私は家を建てられません(笑)。
でも、「その人の身体にとって何が必要なんだろう」と一緒に考えていく過程が、なんだか似ている気がしたんです。
同じ家でも、どう暮らしたいかで設計は変わる
家には、キッチンがあって、リビングがあって、お風呂やトイレ、寝室がありますよね。
基本的に家に必要なものや取り揃えてるものは、どの家もそれほど大きくは変わりません。
でも、注文住宅を建てるとなったら、
「料理を楽しめるキッチンにしたい」
「家事が少しでも楽になる間取りがいい」
「家族が自然と集まれる場所がほしい」
と、その家でどんな暮らしをしたいのかによって、設計は変わっていきます。
これが身体も、少し似ていて比喩表現として伝わるのでは?と思いました。
私たちには背骨や骨盤の骨があって、心臓などの臓器もあって、それらを支える筋肉や血管、靭帯がある。
基本的な身体のつくりは、みんな一緒です。
でも、その身体でどう暮らしていきたいのかは、一人ひとり違います。
旅行に行きたい。
子どもや孫と遊びたい。
そのために日々の仕事を頑張りたい。
好きなことを、できるだけ長く続けたい。
目指している暮らしが違うなら、その人にとって必要な身体との付き合い方も、きっと同じではありません。
だから私は、身体だけを見て「この姿勢が正解」「この運動をすればいい」と決めるのではなく、
この人は、この身体でどんなふうに暮らしていきたいんだろう。
そこまで見ながらレッスンをしていきたいと思っています。
「分からない」の中にも、何かあるかもしれない
でも、
「この身体で、どう暮らしていきたいですか?」
なんて突然聞かれても、すぐに答えられる人ばかりではないと思います。家だって、まずは買うのか・借りるのか、どこの場所で?どんな予算で?ってどう暮らしたいかももちろん大切ですが、漠然としすぎててボヤけてしまう気がします。
「痛みがなくなればいい」
「もう少し動きやすくなりたい」
「なんとなく、このままじゃ嫌」
最初はそのくらいかもしれません。
それでいいのだと思います。
注文住宅だって、施主が完璧な設計図を持って建築家のところへ行くわけではありません。
「こんな暮らしがしたい」
「ここがなんとなく不便」
「うまく言えないけど、こうだったらいいな」
そんな、まだ輪郭のはっきりしていない希望を話しながら、一緒に形にしていく。
身体も同じなのかもしれません。
「分からない」というのは、何もないということではなくて、まだ自分でも分かっていないだけ。
動いてみたり、身体の変化を感じたり、話をしたりする中で、
「そういえば、これができるようになりたかった」
「ここまで歩けたら、また旅行に行けるかもしれない」
「仕事のあとに、もう少し余力が残っていたら嬉しい」
そんなものが少しずつ見えてくることがあります。
私は、それを一緒に探して、少しずつ輪郭をつけていくことも、レッスンの一部だと思っています。
身体を教える、その先に
ピラティスインストラクターなので、もちろん身体のことは教えます。身体の構造を知って、動きを見て、その方に必要だと思う運動を考える。
それは私の仕事です。
でも、知識を渡して、正しく身体を動かせるようにすることだけが、私のやりたい仕事ではないのかもしれません。
その人が、
これから何をしたいのか。
どんな毎日を送りたいのか。
そのために、どんな身体でいたいのか。
本人にもまだよく見えていないものを、身体を動かしながら一緒に探していく。
そして、今ある身体を使いながら、その人なりの暮らしを少しずつ作っていく。
もしかしたら私は、身体を教える先生というより、
その人が、この身体でどう暮らしていきたいのかを一緒に考える、身体の“建築家”みたいな仕事がしたいのかもしれません。
10年近くこの仕事をしてきて、最近ようやく、自分がやりたかったことの輪郭も少しずつ見えてきたような気がしています。

IROHA Pilates & Conditioning Studio主宰 一ノ瀬 華恵